今回は、演技派女優として知られる池脇千鶴さんについて、「演技力」「役作り」「変貌」「増量」「体重変化」といった視点から、考察します。
そして、池脇千鶴さんの演技力について、なぜここまで“すごい”と称されるのかを詳しくご紹介します。
若手時代から圧倒的な存在感を放ち、年齢を重ねた今もなお、作品ごとに全く異なる顔を見せる池脇千鶴さん。
現在では、その変貌ぶりの裏には、並外れた役作りへのこだわりが隠されているともいわれおり、ロバート・デニーロのようであるともいわれています。
それでは、今回は池脇千鶴の演技力について様々な情報をご紹介しますので、最後までお楽しみください。
もくじ
池脇千鶴の演技力がすごいと言われる理由
池脇千鶴さんが「演技派女優」として評価される「演技力がすごい」といわれる最大の理由。
それは、どのような役柄にも挑戦するその演技に対して貪欲な一面があげられます。
まず池脇さんが有名になった作品は、2003年に公開された『ジョゼと虎と魚たち』とされています。
本作では身体障害者の若い女性を演じました。
この時の演技が真に迫り、高く評価を受けることに成功。
たいていの美人女優は、若手時代にアイドル的なキャラを演じ、高い人気を集めるのが先で変化球的なキャラはなかなか演じません。
しかし、池脇さんの場合は若手のころから変化球のキャラクターを巧みに演じていたのでした。
こういった理由から、若い頃から池脇千鶴さんは演技力が高いと称賛を受けることに成功しました。
池脇千鶴の評価の高い作品
池脇さんの代表作の中でも特に演技力が高く評価された作品は、『ジョゼと虎と魚たち』と『その女ジルバ』と『ばけばけ』の三つです。
2003年に公開された映画『ジョゼと虎と魚たち』では身体に障害を抱える少女・ジョゼを演じました。
撮影の際に、なんと実際に身体の動かし方や言葉遣いを丁寧に研究したといわれています。
また主演の妻夫木聡さんとの共演による繊細な恋愛描写は、いまも名作として語り継がれています。
そして、なんと本作ではベッドシーンも担当。激しい描写の数々に多くの人々が驚きました。
本作の演技がきっかけで、第18回高崎映画祭最優秀主演女優賞を受賞しました。
次に紹介するのは2021年に放送されたドラマ『その女、ジルバ』です。
疲れた中年女性”と華やかな妙齢の美女を一人で演じ分けた本作では、体型・表情・声のトーンまで変化。
そのリアルさから実際に見た目が変貌したのではないかともささやかれました。
実際に、老け役のために体重を増やしたとも言われています。
本作での怪演がきっかけで、「役によって顔まで変わる」「体つきや雰囲気が全然違う」といったようなカメレオン女優としての評価を獲得。
本作での演技は、第47回放送文化基金賞番組部門の演技賞を受賞し高い評価を受けました。
さらに、2025年9月から放送がスタートされているドラマ『ばけばけ』では、主人公の母親を演じました。
ここでは太った中年女性の役を担当。
本作での見た目の変わりっぷりから『体重変化したのではないか』『増量したのではないか』『太った』といった意見もありました。
しかし、逆に彼女がこういった役柄に挑戦したことで、『いい役者になった』といったように評価する声もありました。
現在ではそのカメレオン女優っぷりが高く評価され、演技派女優としての歩みを定着させたといってもいいでしょう。
共演者・監督からの評価
池脇さんの演技力について、共演者からの評価は定かではありませんが、監督やプロデューサーなどからは賞賛の声が寄せられました。
しかし、過去にWOWOWドラマ放送の連続ドラマ『贖罪』で池脇さんに指導した映画監督の黒沢清さんは、以下のように驚いていました。
「池脇さんがこんな悪い人になると思わなかった。とんでもない悪い人なんです。池脇千鶴ファンの人はびっくりするんじゃないかと。彼女のイメージが覆るような冒険でした」
出展:スポニチ
黒沢清監督といえば、『CURE』『地獄の警備員』といったホラー映画を多く製作されている巨匠です。
そんな黒沢監督でも、『ここまで変わるとは思わなかった』とのことであるので、かなり演技力が高く評価されているとみていいでしょう。
また、彼女が出演したドラマ『その女、ジルバ』のプロデューサーであった遠山圭介さんは、池脇さんの演技力を以下のように高く評価していました。
「いろいろな映画を見て『すごいな』と思っていたんですけど、今回改めて思ったのは、(劇中では)完全に池脇さんじゃなくて新ですし、ホステスになるとアララです」
「『ちょっと困ったときの表情がすごい』と監督とも話をしていたんです。台本の何千倍もの表現ができあがっている感じがします。ちょっとした表情の作り方、言葉の出し方。すごく引き込まれる感じがあります」
出展:mantan-web
なんと監督とプロデューサーが池脇さんの演技力に圧倒されていたみたいですね!
池脇千鶴の徹底した役作りと圧倒的存在感の秘密!
では、なぜ彼女の役作り・変貌力・演技力がこれほどまで評価されるのか、その“秘密”を要素別に整理しておきましょう。
彼女の演技力の凄さ・役作り技量の巧さについて、改めて触れていきますので、最後までお楽しみください。
役に合わせた体重増減・メイク・表情づくり
池脇千鶴さんは、映画の世界に自分を合わせる役作りに長けていると評価されています。
例えば、「その女、ジルバ」では40代の中年女が次第に華やかなホステスに変貌するまで池脇さん自身で演じていました。
この時、体重を増量させて、ダメ女の時をダメ女らしく演じ、華やかなホステスも演じ分けていました。
また池脇さんは、上記でもいったように見た目だけではなく、表情の出し方などにもこだわりをいれ、演技に説得力をいれていたともいわれています。
ちなみに、特殊メイクか何かで変化したのか、と思われることもありますが、池脇さんは特殊メイクを使用してはいないようです。
「太った」「老けた」という印象は役柄によるもの
近年、池脇千鶴さんは、視聴者側からは、「太った」「年齢が出た」といった印象が語られがちです。
しかし、そうした印象はあくまで 役づくりの結果 であり、池脇さん自身の本来の体型や姿勢とは異なる可能性が高いです。
むしろ、役柄に合わせて“太って見える要素”を引き出すことで、キャラクター性を強めていると見るべきでしょう。
たとえば、『ばけばけ』での母親像における“ふくよかさ”や“老け感”演出は、「顔かたちや体型まで変化させる役作り」と報じられています
「過去にも映画やドラマで、役作りのためにあえて太ったこともありますし、2つの作品を掛け持ちしているのも関わらず、片方の作品の監督に“太れ”と言われて、体重を増やしたこともありました。ロバート・デニーロの役作り法は『デニーロ・アプローチ』と呼ばれていて、役に合わせて顔かたちや体型まで変化させ、そして役にあった雰囲気までもを作り上げる演技法。池脇さんも、まさにそれです」
出展:週刊女性プライム
ロバート・デニーロといえば、作品に乗じて自身の体系をコロコロ変えることでも有名な俳優です。
近年では、ホアキン・フェニックスが『ジョーカー』を演じるために激やせ減量したことでも話題となりました。
恐らく、池脇千鶴さんもそういった欧米方式の演技メソッドを採用しているのではないかと考えられます。
まとめ|池脇千鶴の演技力がすごい!徹底した役作りと圧倒的存在感の秘密!
池脇千鶴さんのすごさは、“役に合わせて変わる”という覚悟と技術の両立にあります。
若手時代からどんな役にも真摯に向き合い、作品ごとに体型・表情・声・雰囲気を自在に変えることで観客を驚かせてきました。
ときに「太った」「老けた」と言われる変貌も、実は徹底した役作りの一環とみられます。
必要に応じて体重を増減させ、特殊メイクなどは受けず、姿勢、細部の所作まで計算したうえで“その人物として生きる”ことを選んでいます。
その結果、池脇さんは単に演技が上手いだけでなく、外見までも演技の一部にできる稀有な女優として確固たる地位を築きました。
“変貌する女優”とも称される彼女の姿勢こそ、真の意味での演技力と役作りの極致といえるでしょう。