一流大学に通いながら、ホストクラブ「THE JOKER」でNo.1の座に君臨する男・つばさ。誰よりも努力して、誰よりも“正しく”生きてきた彼が、なぜカヲルに心を乱されるのか。
その理由には、見えない孤独と、誰にも知られない心の痛みがありました。
この記事では、そんなつばさの内面を深く掘り下げ、彼の“愛のかたち”をひもといていきます。
ドラマ『愛の、がっこう。』に登場するつばさは、一流大学に通いながらホストクラブ「THE JOKER」でNo.1の座に君臨する“完璧な男”。
しかし、相関図では“ライバル”とされるカヲルに対して、彼が抱く感情は単なる競争心だけではありません。
この記事では、つばさというキャラクターが抱える孤独や葛藤、そして彼だけの“愛のかたち”を深掘りしていきます。
もくじ
完璧なはずのつばさが、なぜ嫉妬するのか
結論から言えば、つばさは「誰にも見せない努力」と「報われなかった想い」を抱えて生きているからこそ、カヲルという異質な存在に心をかき乱されています。
カヲルは文字もろくに読めない“学のないホスト”。しかし、彼のもつ圧倒的なカリスマ性や人間的な魅力は、つばさがこれまで積み重ねてきた努力とは全く違う武器で人を惹きつけていきます。
カヲルの存在は、つばさにとって自分の“正しさ”や“努力”を脅かすものでありながらも、どこかで羨ましく、目を離せない存在でもあるのです。
つばさが背負う「孤独」と「壁」
つばさを演じる荒井啓志さんは、公式インタビューの中で次のように語っています。
「つばさは“完璧主義な人”です。でもそこに至るまでに、実はいろいろな経験をして乗り越えてきた人だと思います」
「誰も自分のことを本当に理解してくれないと思っていて、壁を作ってしまっている」
つまり、つばさは“恵まれた人”ではなく、“そうあろうと必死で築いてきた人”。
その裏には、他人に見せることのない傷や劣等感が隠されており、カヲルのような“無垢でまっすぐな存在”が、その壁を崩しかけてくることに、無意識の動揺を感じているのかもしれません。
カヲルとの関係性が描く“愛のゆらぎ”
『愛の、がっこう。』はラブストーリーであると同時に、「愛とは何か」を問いかける物語でもあります。
つばさとカヲルの関係に恋愛的な要素はありませんが、ホストクラブという閉じられた空間の中で、明らかに異なる個性と価値観がぶつかり合うことで、そこには確かな“感情の揺れ”が生まれ始めています。
つばさにとって、ホストとしての地位や社長との信頼関係は誇りであり、守りたいもの。そこに無自覚で飛び込んでくるカヲルの存在は、自身の“正しさ”や“完璧主義”を脅かす異物でもあります。
この対立構造は、単なるNO.1の座をめぐる争いではなく、「認められたい自分」と「揺らぐ自信」のせめぎ合いでもあるのです。
この関係性こそ、つばさにとっての“愛の正義”を照らし出す鏡のようなもの。視聴者は、彼の視点に立つことで「愛されたい自分」と「理解されない自分」の間で揺れる心の動きをリアルに感じ取ることができるでしょう。
「誰にも知られない努力」が、あなたの心に刺さる
つばさは、見た目やステータスだけでは語れない“痛み”を抱えたキャラクターです。
その完璧さの裏にある努力や孤独に、きっと共感する視聴者も多いはず。
「本当の自分を誰も知らない」そんなふうに感じたことのあるあなたにこそ、つばさの姿が静かに響くのではないでしょうか。
つばさにとっての「愛」とは？
つばさにとって「愛」とは、単なる恋愛感情ではありません。
それは、自分とは異なる価値観や未完成な存在を“受け入れる勇気”であり、これまでの人生で手にしてこなかった“認められたいという本音”に触れることでもあります。
誰よりも努力し、正しさにこだわってきたつばさが、カヲルのように自由で無邪気な存在に惹かれるのは、きっと“愛＝許容”の感覚に出会い始めたから。
自分の完璧さを壊すような存在を、否定せず、むしろ受け入れていくこと。
それが、つばさにとっての「愛の正義」なのかもしれません。
『愛の、がっこう。』登場人物の心の傷と過去まとめ｜愛実とカヲルが惹かれ合う理由とは？
愛実、カヲル、百々子、川原……それぞれの心の背景をまとめた記事で、ドラマをもっと深く楽しめます。
まとめ｜つばさの“愛のかたち”が浮かび上がるとき
放送開始前の時点で、つばさはまだ“ライバル”の印象が強いキャラクターかもしれません。
しかし、物語が進む中で、彼の不器用な愛のかたちや、誰にも見せなかった心の奥が少しずつ明らかになっていくことでしょう。
“正しさ”ではなく“気持ち”で動き始めたとき、彼の相関図の線もきっと変化していきます。
『愛の、がっこう。』を通して描かれる、つばさの成長と再生の物語にも、ぜひ注目してみてください。
「ちゃんと頑張ってきた自分を、誰も見ていない」 そう感じたことがあるあなたへ―― つばさというキャラクターは、あなたの心に静かに寄り添ってくれるはずです。
