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『夫よ、死んでくれないか』10話ネタバレ|亮介の“呪い”と弘毅の覚悟…選び直す妻たちの未来

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『夫よ、死んでくれないか』10話ネタバレ|亮介の“呪い”と弘毅の覚悟…選び直す妻たちの未来

「夫なんて、死ねばいいのに」――
そう愚痴っていた頃のほうが、まだ“幸せ”だったのかもしれません。
第10話で描かれたのは、そんな皮肉が胸に刺さるような現実でした。

家族、愛情、そして再生。
簡単に手に入らないからこそ、夫婦は何度も壊れそうになりながら、それでも向き合おうとします。
それが30代夫婦のリアルであり、苦しさでもあるのかもしれません。

今回の『夫よ、死んでくれないか』では、
夫を襲った妻、父になろうとする男、離れた夫と再び向き合おうとする妻――
それぞれの「人生の選び直し」が、静かに、そして劇的に描かれました。

この記事では、そんな第10話のあらすじをネタバレ込みで丁寧に解説。
登場人物たちの“選択”が、最終回へ向けて何を意味しているのかを読み解いていきます。

友理香|“無力な女”と刷り込まれた日々からの脱却

友理香の夫は、手を上げるような暴力こそ振るいません。
けれど、「お前は何もできない」「一人では生きていけない」と繰り返し言葉で追い詰め、
彼女の自尊心を削りながら、自分のそばに縛りつけてきました。

離婚を迷う友理香に、「子どものためじゃなく、自分のために離婚したくない」と言わせたとき、
夫がどこか“嬉しそう”に微笑んだのは、そうした歪んだ支配が効いている証でした。

そんな彼を、友理香はついにハンマーで襲おうとします。
しかし未遂に終わり、自身が転倒して意識不明に。
暴行の現行犯として取り調べを受ける夫とは対照的に、友理香は病院へと運ばれます。

そして目を覚ましたきっかけは――娘・結菜の咳。
喘息を抱える娘の苦しげな声に反応するように、友理香の意識が戻ったのです。

これはただの回復ではありません。
“無力な女”と刷り込まれてきた彼女が、“母として生きる”という新たな軸を持ち始めた瞬間だったのかもしれません。

璃子|母になる選択と、亮介との決別

亮介から「子どもをおろしてほしい」と言われ、悩み続けていた璃子。
母子手帳を見つめるその表情には、複雑な葛藤が滲んでいました。

そんな彼女を、夫の弘毅は変わらず支え続けます。
「誰とメッセージしてるの?」と聞いた直後、「ううん、なんでもない」と引き下がる弘毅。言葉を飲み込む姿が切なくもあります。

産婦人科を受診した璃子の赤ちゃんは順調で、彼女は涙を浮かべて何かを決意したような表情を見せます。
そしてカフェで亮介と会い、「お腹の子と二人で生きていく」と宣言。
亮介の「僕とじゃダメなの?」という問いに対し、「この子を否定する人とは一緒にいられない」と席を立ちました。

麻矢|仕事と夫婦関係の再構築、そして千田の“告発”

一度は別れた夫・光博が戻ってきた麻矢。
光博は、不倫相手との関係も被害者を装った自作自演で、自分の愚かさに気づいたと告白。麻矢と向き合う覚悟を語ります。

一方、麻矢の職場では、キャリアと家庭を両立させた上司が、離婚したことを発表。麻矢に「夫と向き合おうとしたときには手遅れだった。正直、後悔している」と伝えます。
その言葉に麻矢は、光博と向き合うために自分も変わっていこうと決意を固めます。

しかしその矢先、麻矢に近づいていた千田が“15年前の事件”を持ち出します。
学生時代に3人で犯した過去の罪をビデオに収めていた千田。
「殺した後に突き落とすところまで映っている」と言い放ち、「俺の言うこと、なんでも聞いてくれるよね?」と不気味に迫ります。

弘毅 vs 亮介|“父”としての意地と覚悟

亮介は弘毅の元を訪れ、「璃子のお腹にいるのは僕の子」と明かしながら挑発。
「僕の顔に似ていく子どもを見ながら璃子は生きていく。皮肉でしょう?」

しかし弘毅は静かに、しかし毅然と反論します。
「勝手に決めるな。お前ごときが璃子の将来を勝手に決めるな」と一喝。
亮介は圧倒され、言葉を失いました。

このやりとりは、誰が“父親”としてふさわしいのかというテーマを強く打ち出した名場面です。

亮介の挑発は“呪い”だった|責任を負えない男の支配欲

璃子のお腹の子どもをめぐり、亮介が弘毅にぶつけた言葉――
「あんたは現実から逃げてる。俺の子だってことから」
「どんどん俺に似ていく子どもを見ながら、璃子さんは一生俺を思い出す」

この挑発は、一見すると「璃子を取り戻したい」「弘毅を突き落としたい」ようにも見えます。
けれど、亮介のこれまでの行動をふり返ると、それが本気の“愛”や“責任”からくるものではないことは明らかです。

「二人でいたい」=「楽しい関係だけを維持したい」
「子どもは要らない」=「責任は負いたくない」

でも、自分が切り捨てられることだけは耐えられないという“幼稚な所有欲”が透けて見えます。

そんな亮介の弘毅に対する挑発は、自分の存在を否応なく刻みつけるためとも考えられます。璃子の人生から自分が完全に消えてしまうことを恐れているのではないでしょうか。

「子どもは俺の顔に似ていく」
「璃子は俺を思い出しながら一生生きていく」

この言葉は、未練でも愛情でもなく、“呪い”や“刻印”のような言葉。
璃子を完全に失ったくせに、まだ「自分の存在価値」を相手に押しつけようとする、極めて利己的な支配の形です。

亮介の本質は「中途半端な愛と無責任なプライド」。
亮介は、“不倫のスリル”や“優越感”のなかで璃子と関係を持っていた可能性が高く、いざ現実的な決断(出産・子育て)を迫られると、「じゃあ子どもはいらない」と言い出した。

つまり彼は、
自分の存在が否定されることが何より怖い
それでも、何かを背負う覚悟はない

そんな“典型的なヘタレ型モラ男”として描かれているわけです。

弘毅の「勝手に決めるな」は覚悟の証|選ぶのではなく、支えるという決意

亮介の挑発に、弘毅は「勝手に決めるな」「お前ごときが璃子の一生を勝手に決めるな」と強く言い返します。

それはただの怒りではありませんでした。
むしろ、「璃子の人生は璃子自身が決めるものだ」という尊重の気持ち、
そして“彼女の決断を支える側に自分は立つ”という静かな覚悟の表れです。

弘毅はこれまで、「璃子を失いたくない」と思いながらも、自分の傷や不安から逃げてきました。
子どもができないことを自分のせいだと知りながら、きちんと向き合うことができなかった。

でも今、璃子が亮介との子を産むと決めたことで、
“自分の罪”と“相手の意思”の両方を真正面から受け止めようとしています。

亮介が「奪うことで記憶に残ろう」としたのに対し、
弘毅は「支えることで記憶に残ろう」としている。

弘毅のセリフはこう言い換えることもできます:

「お前の口から璃子の人生を語るな。彼女の未来は、彼女自身の手で選ばせる。それを支えるのが俺だ。」

このコントラストは、ただの男の言い争いではなく、
「愛する人に何を与えるか」で人間の本質が浮かび上がる場面として描かれていたのではないでしょうか。

光博の闇|ゲームに没頭する姿の意味とは?

ラストシーンでは、夕食を作る予定だった光博が、異様な形相で格闘ゲームに熱中。
彼の中に残る“狂気”の伏線なのか、それとも現実逃避なのか――
強烈な違和感と不安を残すラストとなりました。

次回11話予告|15年前の真相と“本当の裏切り者”がついに明かされる

第11話では、ついに“過去の罪”と“今の関係”が交差し始めます。

千田から15年前の殺人の証拠をもとに脅される麻矢。
ラブホテルに呼び出され、意を決して向かうものの、約束の時間になっても千田は現れず…。
その不在が意味するのは、さらなる罠か、それとも新たな裏切りか。

一方、璃子と友理香はそれぞれ、シングルマザーとして生きていく決意を固めます。
夫から自由になり、母として歩き出そうとするその背中には、確かな覚悟が感じられます。

さらに、光博の優しさに揺れ始めていた麻矢。
しかし、11話予告では「本当の“裏切り者”の姿が明らかに」との一文が。
悔しそうに泣き叫ぶ光博の姿と、麻矢の後輩・香奈のアップが映されており、
裏切りの正体が光博なのか、香奈なのか、それとも千田以外の誰かなのか――
物語はいよいよ、クライマックスに向けて不穏さを増していきます。

そして映像の最後には、山道を歩く二人の男女の後ろ姿。
あれが麻矢と千田なら、15年前の“現場”へ向かう再現なのかもしれません。

過去の罪が暴かれるとき、3人の妻たちは“生きる道”を選び切れるのでしょうか。
第11話は、これまで積み重ねてきたすべての感情と嘘が、ついに明らかになる回となりそうです。

まとめ|「どう生きるか」を選び始めた3人の妻たちと、迫る過去の清算

第10話は、それぞれが「どう生きるか」を選び始める回でした。

  • 友理香は、刷り込まれてきた“無力な女”の殻を破り、母として目覚める。
  • 璃子は、命を抱えながら自分の足で未来を歩くことを決意。
  • 麻矢は、夫と再び向き合う覚悟を固めつつ、過去の罪とも向き合おうとする。

そんな中で、亮介の“呪いのような挑発”を一喝した弘毅の姿は、静かな強さと誠実さを印象づけました。

一方で、千田による脅迫、後輩・香奈の存在、そして15年前の事件の証拠映像…。
いよいよ“過去”が牙をむき始め、物語は最終局面へと進んでいきます。

11話では、「本当の裏切り者」が明かされ、3人の選択が“罪”なのか“赦し”なのか、はっきりと問われることになるでしょう。
彼女たちは、自分の人生を誰のものにもせずに、歩き出すことができるのか――。

最終回直前、見逃せない展開が続きます。