今回は、大人気アニメ『タコピーの原罪』に登場するキャラクター・まりなの「最後はどうなったのか」、そして「生き返った後に残る顔の傷にはどんな意味があったのか」を解説します。
序盤では加害者的な立場で描かれていた彼女ですが、物語が進むにつれて被害者としての側面も浮き彫りになっていきます。その変化を理解すると、作品全体のテーマがより深く見えてきます。
もくじ
タコピーの原罪まりなの最後はどうなった?
まりなは一度命を落としましたが、タコピーの犠牲によって“生き返る”ことに成功します。最終的にはしずかと和解し、小学生時代のいじめの関係を乗り越えて親友として未来を歩むことに。
物語の終盤、タコピーは自分の命をかけて時間を巻き戻し、まりなが生きている世界線をつくります。その結果、まりなは再び日常を取り戻し、しずかとも心を通わせることができたのです。
最終回では、高校生に成長したまりなとしずかが文房具屋を訪れ、タコピーを思わせるボールペンを見つける場面で物語は幕を閉じます。タコピーの記憶は完全には残っていませんが、二人の心の奥底には確かに彼の存在が刻まれており、努力が無駄ではなかったことを示しています。
まりなは本当に生き返ったのか?
『タコピーの原罪』に登場するまりなは、最終的に「生き返る」といっても過言ではありません。
物語序盤、第2話でまりなはタコピーに撲殺されてしまい、その時点ではもちろん生き返ることはありませんでした。
しかし、この時のまりなは2015年の存在です。物語が進む中で、タコピーは記憶を取り戻し、2022年に自分とまりなとの間に確かに友情があったことを思い出します。
そこでタコピーは、自らの命を犠牲にしてタイムリープを行い、まりなが生存している2015年の世界へと時を巻き戻しました。
この奇跡によって、まりなは「再び生きられる世界」を手に入れることができたのです。
時系列が複雑で少し分かりにくい部分もありますが、結論としては――タコピーの犠牲と奇跡によって、まりなは生き返ることに成功したといえるでしょう。
まりなとしずかの関係は?
最終的に二人は和解し、共通の友人として「タコピー」の存在を共有することで友情を築きました。
ただし、まりなの心の奥底にはしずかに対するわだかまりがあるかもしれません。
高校生になったまりなが、文房具屋でしずかに「お前の母親がうちの家庭を壊したんだろ」と冗談めかして語る場面がありました。
家庭の修復はかなわなかったと読み取れます。まりなは表面上和解していても、心の奥底でしずかとその母を恨んでいる可能性があるのです。
高校生となり、和解することに成功したしずかとまりなの間には友情が生まれましたが、この友情は何かがきっかけとなり、崩れてしまう可能性はまだ残っているといえるでしょう。
まりなの母親はどうなった?
第5話では、まりなは母親に殺されそうになり、逆に母親を殺してしまうという最悪の展開が描かれます。その結果、ショックを受けたまりなはタコピーに「小学生のうちにしずかを殺してほしい」と依頼してしまいました。
しかしタコピーが時間を戻し、最終回で新しい世界線を生み出したことで、まりなが生存し、女子高生に成長したまりなが『母親がちょっと荒れている』と冷静に語ることから、母親もまだ生存していることがわかります。
つまり、タコピーの犠牲によって母親もまた「生き返った」形になったのです。
生き返ったもののまりなの家庭は地獄のまま
アニメ『タコピーの原罪』最終話で、世界線がまりなが生きている世界に変更されたことで、彼女は生き返ることに成功し、しずかとも和解したものの、その家庭は地獄のままではないかと考えられます。
というのも、最終話のエピローグで、女子高生に成長したまりなは、しずかに対して『うちの母親にきつくやられた』と愚痴を言うシーンがあります。
このことから、恐らくまりなの家庭は離婚したままで、母親から虐待を引き続き受けていることが考えられます。
まりなの両親についても、まりなが母親を殺してしまう世界線のころからすでに、離婚しているので、恐らくまりなとしずかが生き残っている世界でも、まりなの両親は離婚したままということになるでしょう。
せめて、お父さん側に引き取られればなんとかなっていたかもしれません。
しかし、子供のころと違い、母親に対してもただ虐待を受けて精神的に支配されるだけではなく、強い心で跳ねのけていることが確認でき、まりなはもう以前のような受動的で、学校で弱いものいじめをすることで発散する人間ではないことが推測できます。
このように『タコピーの原罪』最終話は未来に希望を残した形で終わります。
タコピーの原罪まりなが生き返った後にできた顔の傷の意味は?
アニメ『タコピーの原罪』5話では、生き返ったまりなは顔に傷がついた状態で登場します。この顔の傷は母親による虐待が原因でできたものでした。
それでは、一体この顔の傷の意味は一体どういうものなのでしょうか?これらについての意味などについて解説いたします。
顔に傷のあるまりなとは
顔に傷があるまりなとは、アニメ『タコピーの原罪』第5話『2022年の君たちへ』に登場した女子高生のまりなの事を指します。
アニメ第5話では、顔に大きな傷を負った女子高生・まりなが登場。この傷のあるまりなは、物語中で成長した姿として描かれており、視聴者に新たな一面を見せます。
実はタコピーは、しずかと出会う前にまりなと接触しており、彼女と日常を共にしていました。成長したまりなは、公園でタコピーに「理想の母親になりたい」と自身の夢を語り、彼をまるでペットのように世話していたのです。この描写により、まりなの意外な性格や複雑な内面が明らかになります。
当時のまりなは、高校生の東君と交際しており、優等生である東君はまりなの理想の恋人でした。まりなは母親にも東君を紹介しようと考えていましたが、そこに成長したしずかが街に帰ってきます。実は、まりなは小学生の頃にしずかをいじめていた過去がありました。
しずかに昔からひそかに惚れていた東君は、「しずかちゃんは僕が付いていないといけないんだ」と語り、まりなとの関係を断ち切り、しずかと付き合うことに。これを知ったまりなの母親は、なぜか娘に対して激しい虐待を行います。その状況で抵抗したまりなは、母親を誤って殺してしまうという悲劇に見舞われるのです。
タコピーは、家の外にいた際にこの一部始終を目撃します。まりなはタコピーに対して、「小学生のころにしずかを殺しておけばよかった」と後悔の思いを打ち明けます。これを受け、タコピーは母星・ハッピー星の時計タワーを操作し、過去へタイムスリップ。しかしその過程で記憶を失い、今度はしずかと過ごすことになるのでした。
このことから、顔に傷があるまりなとは女子高生に成長したまりなであることがわかります。
まりなの顔の傷はいつできた?
女子高生まりなの顔の傷は、まりなの両親が離婚した後、虐待がひどくなった過程で母親がまりなにつけたものであることが原作コミックでは描かれていました。
こちらの顔の傷の詳細についてはアニメではほのめかす程度でしか明かされませんでした。しかし原作コミックでは、まりなの顔の傷がいつできたのかその詳細がわかることができます。
高校生まりな
「(泣きながら、顔の傷を掻きながら)
がら、すが怖いの、がら…
ち…小さいころにママを怒らせちゃって
が、がら…
この傷、その…コップで切れてできたの
がらす…」出展:note
つまり、女子高生まりなにできていた顔の傷は、まりなが子供のころに母親を怒らせてしまい、ガラスのコップで殴られたことでできたものでした。
また、まりなの両親は、まりなが小学生のころに離婚しています。もし父親が家庭にいた場合、母親の虐待から救済できた可能性もありますが、恐らく父親は家庭に不在であったことから、母親の虐待が悪化したのではないかと考えられます。
こうした背景を踏まえると、「まりなはどうなった?」という問いに対しても、最後まで母親の虐待に苦しみつつも、物語の中で成長した姿が描かれていることがわかります。彼女の「顔の傷」は、過去の苦しみと現在の強さを象徴する重要な要素となっています。
まりなの顔の傷の意味を考察!
この顔の傷は、第一話・第二話でしずかをいじめていたまりなも、実は虐待の被害者であったことを示す重要な要素です。視聴者や読者がまりなに感情移入できるようにする、ある意味での舞台装置としての役割を果たしていたと考察することが、できます。
第一話・第二話のまりなは、チャッピーが保健所に送られるきっかけを作ったり、しずかちゃんの自殺の原因を作ったりと、少々やりすぎな印象で、これは『殺されても仕方ないのでは』という印象もありました。
しかし、母親による虐待のせいで顔に傷ができるほどのケガを負っていたことがわかると、視聴者や読者はまりなに同情しやすくなります。このため、「まりなはどうなった?最後はどうなるのか」と考える際にも、彼女の「顔の傷」が過去の苦しみと物語での成長を象徴する重要な設定として機能しているのです。
そして、最終話でしずかもまりなも救済されたことで、より最終話が感動的な意味を持つことになることができたと考えられます。
タコピーの原罪まりなの最後はどうなった?生き返った後にできた顔の傷の意味は?まとめ
アニメ『タコピーの原罪』最終話では、タコピーが起こした奇跡の影響により、まりなはタコピーと過ごした日々の記憶を失ってしまいます。しかし「まりなはどうなった?」という問いに対しては、最後はしずかちゃんとともに生き延び、親友として日々を過ごしていく姿が描かれました。
さらに、女子高生まりなの「顔の傷」の正体についても重要な真実が明かされています。その傷は、両親の離婚後に母親から虐待を受け、ガラスのコップを頭にたたきつけられたことでできたものでした。このエピソードによって、まりなもまた虐待の被害者であることが示され、視聴者に深い同情と共感を呼び起こすことができます。
つまり、まりなの顔の傷は単なる外見的な特徴ではなく、彼女の過去の苦しみと、同時に救済の必要性を象徴する重要な意味を持っているのです。最終話における「まりなはどうなった?」「最後の結末はどう描かれたのか」といった疑問に答える上でも、顔の傷の意味は欠かせないポイントだといえるでしょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。