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ウルフアロンのプロレスは「やらせ」か実力か?演出の正体と五輪王者の本気度を徹底解説

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ウルフアロンのプロレスは「やらせ」か実力か?演出の正体と五輪王者の本気度を徹底解説

2026年1月4日、東京ドームで開催された『WRESTLE KINGDOM 20 in 東京ドーム 棚橋弘至引退』。

その歴史的興行の中で、ひときわ大きな衝撃を与えたのが、柔道五輪金メダリスト・ウルフ・アロン選手のプロレスデビューでした。

柔道界のトップアスリートが、いきなり新日本プロレスの大舞台に立ち、しかも現役トップレスラーであるEVILから勝利を収めたことで、ネット上では「出来すぎている」「さすがにやらせでは?」といった声も少なからず見られました。

しかし、この試合を冷静に見返していくと、「やらせ」という一言では到底片付けられない、プロレスという競技・表現の奥深さと、ウルフ・アロン選手自身の本物の実力が浮かび上がってきます。

以下では、世間が違和感を覚えた理由、プロレスにおける勝敗の考え方、そして疑惑を覆すウルフ選手の本気度について、順を追って解説していきます。

ウルフアロンのプロレス勝利は「やらせ」?世間が違和感を抱いた理由

ウルフ・アロン選手は、デビュー戦で新日本プロレスのトップヒールであるEVIL選手を倒し、NEVER無差別級王座を奪取するという、これ以上ない華々しい結果を残しました。

一般的にプロレス界では、若手選手は下積み(ヤングライオン)を経て格を上げていくのが通例です。そのため、「デビュー戦でタイトル奪取」という劇的な展開に「最初から結果が決まっていた=やらせ」と感じてしまうのは、無理もありません。

しかし、プロレスの歴史を紐解くと、こうした「衝撃のデビュー」はスターの証でもあります。

  • ビッグバン・ベイダー: 1987年、デビュー戦であのアントニオ猪木を圧倒し、IWGPヘビー級王座を奪う衝撃を与えた。
  • グレート・カリ: WWEにて、最強と言われたアンダーテイカーを一撃で沈めるデビューを飾った。

このように、圧倒的な実力や背景を持つ「超大物」に対しては、デビュー戦で即勝利、あるいは王座を獲らせることで、その後のドラマを最大化させる手法が伝統的に存在します。ウルフ選手もまた、その「超大物」の枠として迎え入れられたと言えます。

「やらせ」と言われる演出の正体|プロレスにおける「勝敗」の考え方

なぜ、多くの人が「やらせ」という言葉を連想してしまうのか。その正体は、プロレスが持つ「興行(エンターテインメント)」としての側面にあります。

プロレスは「勝敗」ではなく「物語」を楽しむエンターテインメント: 興行としての仕組みを解説。

まず、現代のプロレスは純粋な格闘技(競技)とは異なります。己の肉体と技術を駆使し、観客を魅了する「舞台劇」としての側面を持つ興行です。

その歴史は古く、19世紀のサーカスの見世物から始まり、アメリカではリンカーン大統領(元レスラー)の時代を経て、1980年代にはWWEが「スポーツ・エンターテインメント」としてその定義を確立しました。

現在のプロレスにおいて重要なのは「どちらが強いか」だけでなく「どちらが勝てば最も物語が盛り上がるか」という点です。

なぜウルフアロンに「勝ち」が用意されたのか: 柔道金メダリストという肩書きの興行的価値。

今回の勝利には、圧倒的な「興行的価値」がありました。

  • 集客力: 東京ドームに4万人以上を動員。金メダリストの参戦は、普段プロレスを見ない層を呼び込む最大の武器となった。
  • メディア露出: ニュース番組での特集など、プロレスを一般社会に届ける役割を果たした。

プロレスの世界では、「より多くの客を呼び、世間を驚かせた者が一番強い」という格言があります。その意味で、ウルフ選手の勝利はビジネスとして必然の選択だったと言えるでしょう。

「台本通り」では片付けられない、阿吽(あうん)の呼吸が生む攻防。

ただし、「台本があるから誰でも勝てる」わけではありません。

試合の大きな流れは決まっていても、細かな技の応酬や、相手の力を引き出す攻防は、レスラー同士の「阿吽の呼吸」に委ねられます。

ウルフ選手がEVIL選手と噛み合った試合を見せたのは、彼にプロレスの文法を理解する高度な適応力があったからです。

疑惑を覆す「本気度」|柔道王者の実力がプロレスを成立させた

「やらせ」という言葉は、しばしば「実力がないのに勝たせてもらった」というニュアンスを含みます。しかし、ウルフ選手が見せたパフォーマンスは、本物の実力に裏打ちされたものでした。

プロが驚愕した「投げ技」の破壊力

レジェンド・小橋建太氏も絶賛したように、ウルフ選手が披露したパワースラムや投げ技には、柔道で鍛え上げた「本物の重み」がありました。

パワースラムといえば、現代のプロレスではすっかり基本技の一つとして定着し、多くの場合そこまで注目を受けませんでした。

しかし、ウルフ・アロン選手は柔道家としてのパワーとテクニック、説得力をもち、そしてかなりの体重をのせた迫力あるパワースラムを披露。

改めてパワースラム一つでも、恐ろしい迫力・破壊力ををみせることに成功しました。

やはりこういった基本的な技一つでも、決して怠らないウルフ・アロン選手の柔道家としての高い技術力・凄みが伺えます。

過酷な受け身の習得

ウルフ・アロン選手は、デビューの約半年前から公開練習を行い、プロレス特有の「ロープワーク」を猛特訓していました。実はこのロープワークこそ、彼の本気度と「受けの美学」が最も凝縮されているポイントです。

「走らされている」のではない、命がけの技術: プロレスのロープは弾力のあるゴムではなく、太い鉄のワイヤーです。適切な角度で入り、腕をトップロープに引っ掛けて体重を支えながら反転しなければ、肩の脱臼やリング外への転落という大事故に繋がります。柔道にはないこの「慣れない恐怖」を克服した姿は、裏での膨大な練習量を物語っています。

相手の凄さを表現する「受けの美学」: プロレスにおいてロープに振られるという行為は、単なる移動ではありません。「相手の投げ飛ばす力がどれほど強いか」を全身で表現する技術でもあります。 相手に振られた勢いを殺さず、ロープの反動を利用して倍増させて返す。これは「相手の力を利用する」という柔道の真髄に通じるものがありますが、プロレスではそこに「相手の攻撃を光らせる」という敬意が加わります。

スタミナと足腰の誇示: 何度もロープに飛び、反動に耐えながら走り続ける姿は、レスラーとしてのスタミナと強靭な足腰を観客に誇示するパフォーマンスでもあります。ウルフ選手が金メダリストとしてのプライドを捨て、相手の技を真っ向から受けて輝かせる「プロレスの文法」を学んだこと。これこそが「やらせ」という言葉では片付けられない、彼の一番の本気度と言えるでしょう。

とはいえ、SNSでは一部のプロレスファンからは受け身はもっと綺麗にしたほうがいいといった辛口のコメントもありました。

しかし、ウルフ・アロン選手、これから次第に受け身なども洗練されていくのではないかと個人的には楽しみにしています。

対戦相手レスラーからのリスペクト: 現場の人間だけが感じたウルフ選手の「格闘家としての殺気」。

それではウルフ・アロン選手について、対戦相手であったEVIL選手はどのようにコメントしているのでしょうか。

現時点で、EVIL選手がウルフ・アロン選手についてどのように感じているのか、コメントはほとんどありません。

しかし、ウルフ・アロン選手のプロレスへの情熱と敬意、そしてホンモノの格闘家としての殺気・凄みを恐らく一番わかっているのはEVIL選手であるといえるでしょう。

EVIL選手とウルフ・アロン選手は今後ライバル関係になるのか、今後が気になりますね。

まとめ:ウルフアロンのプロレスは「本物の実力」による「最高の演出」

ウルフ・アロン選手のデビュー戦は、確かに興行としての「演出」を含んだものでした。 しかし、それは「やらせ」という言葉で切り捨てるべき安っぽいものではありません。

世界を制した本物の身体能力と、プロレスという文化に対する深い敬意、そして「柔道界を盛り上げたい」という覚悟。これらが融合して初めて成立した、「最高級のスポーツ・ドラマ」だったのです。

「結果が決まっているからつまらない」のではなく、「この結果を実現させるために、王者がどれほどの努力をしたか」。そこに注目すると、彼の格闘家としての本気度がより鮮明に見えてくるはずです。