2023年に公開されたアニメ映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』。
その中でも視聴者の間で大きな話題となっているのが、本作におけるヒロインともいえる存在の少女・龍賀沙代の存在です。
「沙代って結局誰の子?」「なんであんなにかわいそうなの?」と疑問を持った方も多いのではないでしょうか。
この記事では、沙代の正体や家系図、悲しい運命、因習に縛られた村との関係などをわかりやすく解説します。
最後までお楽しみください。
もくじ
沙代は誰の子?家系図と相関図で整理
それでは、龍賀沙代は一体だれの子なのでしょうか。
家系図や相関図などを使用して今一度情報を整理していきましょう。
沙代の両親は誰?
龍賀沙代の両親は、作中の戦後初期の日本社会を牛耳る一族である龍賀一族の長女・龍賀乙米とその夫・克典との間に生まれた子供です。
ちなみに長女である龍賀乙米と克己との間に愛情はなく、克己は婿養子としてやってきた『他人』でしかありません。
母親であるる龍賀乙米も娘に対する愛情は極めて薄く、愛情もそこまでありません。
また乙米は、部下であり、妹の夫である長田幻治と不倫関係にあることを仄めかす描写も存在しています。
このことから、恐らく夫婦間の愛情はない機能不全家族で育ったことがわかります。
鬼太郎の父や水木との関係
龍賀沙代は鬼太郎の父であるゲゲ郎との関係は作中では特に描写はされませんでした。
しかし、本作の主人公である水木との関係は本作ではある種のキーとなっていきます。
龍賀沙代は明らかに水木に対して女性として惹かれている描写が多く、彼とともに東京に逃げだすことを夢見るなど歳相当の幼さをみせるなど、彼に閉塞的な田舎から解放してくれることに対して何か期待をしているような描写も多くありました。
残念ながら、水木と沙代との間にあった淡いロマンスの関係は、最終的には破綻を迎えることとなります。
相関図・家系図で見る沙代の立場
龍賀沙代の人間関係の相関図・家系図についてですが、公式サイトに既に存在していましたので、そちらを引用させていただきます。

このように、龍賀沙代は龍賀乙米と婿養子である克典との間に生まれた子供であり、本作最大の元凶として君臨する龍賀時貞にとっては孫という位置づけとなります。
沙代に何が起きた?かわいそうと言われる理由
では、そんな龍賀沙代ですが彼女に一体どのようなことがおきたのでしょうか。
それでは、彼女に何が起きたのか、また可哀想といわれる理由は一体なんなのか、これらについてご説明をいたしますので、最後までお楽しみください。
物語で沙代が背負った役割
龍賀沙代が『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』で背負った役割というのは、村という狭い社会、そして男尊女卑的な世界の中で、ほかの男性から性的な加害を受けなくてはいけなかったという点にあります。
最終的に、実母である龍賀乙米から水木をおびき寄せる人質として扱われ、実母からも利用されたこと、さらには実母によって祖父から性的虐待を受けていたことを嘲笑われたことで、彼女は発狂。
妖怪・狂骨の依り代となってしまうのでした。
最終的に愛していたはずの水木も殺そうとしましたが、乙女の側近であった長田によって「相打ち」の形で殺されてしまい、念願の東京にいくこともできず命を散らすことに。
因習村での扱われ方
それでは、そんな龍賀沙代ですが村ではどのように扱われていたのでしょうか。
村民たちは基本的には、龍賀沙代のことをお嬢さんと呼び慕っているような様子がありました。
しかし、村の外から出ることは許されず、時折、祖父である時貞や叔父である時麿から性的虐待を受けるなど悲惨な扱いを受けていました。
そんな中、都会からやってきた水木は、彼女にとってはこの忌々しい狭苦しい世界から解き放ってくれる救世主のようにみえたのかもしれません。
SNSで話題になった「かわいそう」なシーン
では、龍賀沙代についてですがSNSではどのような意見があるのでしょうか。
彼女についての様々な意見をみていきましょう!
まず、最終的に龍賀沙代は狂骨の依り代となってしまいますが…この変化シーンについてはやはり道場の声があつまっています。
中には『スパイファミリー』のアーニャと龍賀沙代が同じ声優であることについて、共通点を見出して悲しんでいる方もおりました!
と、このように概ね、SNSでは龍賀沙代に対しては同情的な意見をみせています。
沙代の結末をネタバレ解説
龍賀沙代の最期は一体どうなるのか、ネタバレを含んでご紹介します。
最後までお楽しみください。
沙代の最後
上記でもご紹介しましたが、龍賀沙代の最期は、水木に対する恋心を母によって利用されてしまい、最終的には狂骨の依り代と化してしまうという展開でした。
発狂した龍賀沙代はその恐ろしい霊力を使い、狂骨を使役、あっという間に村を制圧し、ゲゲ郎以上の戦闘力を持つ長田幻治すらも圧倒。
しかし、もはやそのころには龍賀沙代も正気を失っており、愛していた水木にも手をかけようとしますが、最終的に長田幻治の手で相打ちになる形で殺されてしまうのでした。
沙代の選択と物語の意味
龍賀沙代は東京に行きたい・村から逃げたいという意思を表示していたものの、それはかなうことはありませんでした。
彼女が本作の物語の中での意味は一種の『儚い犠牲』ともいえます。
ある意味では、彼女という悲劇的な存在がいるからこそ、物語性が引き立つのかもしれません。
沙代と因習村の秘密
それでは、龍賀沙代と因習村にはどのような秘密が隠されているのでしょうか。
龍賀沙代と因習村の秘密についてご解説します。
因習村とはどんな場所か
では、因習村とはどのような場所なのでしょうか。
劇中で舞台となった村は、哭倉村という村であり、因習村は正式名称ではありません。
ちなみに、因習村の詳しい説明は以下の通りとなっています。
多くは閉鎖的な環境にあり、外界の情報は入ってこない。携帯電話が繋がらないなど、外部との連絡手段もない状況が多い。その中で昔から伝えられてきた因習[1]などが残っており、不気味な雰囲気になっていることが多い。
これらの描写が後に登場する怪奇現象と関係することになる。一方で、オカルトの要素がなく、首謀者が裏にいる場合や、人間の狂気のみにより凶行が行われる場合もある。
出展:ニコニコ大百科
現代のネットでは村独自の風習で支配された村を因習村と呼ぶことから、哭倉村は因習村の典型例としてカウントされています。
因習の仕組みと沙代の関わり
本作に登場する哭倉村は、龍賀沙代の家族である龍賀一族に支配されています。
龍賀一族においては、『家主となった人間は一族の女を抱いてもよい』というルールとなっており、龍賀沙代はその犠牲者となりました。
実際に叔父や祖父から性的虐待を受けていた過去がありました。
龍賀沙代だけではなく、実母である龍賀乙米も被害にあっていますが、乙米の方は少なくともこのルールについては受け止めている節すらあります。
沙代が象徴するテーマ
龍賀沙代が象徴するテーマは『昭和の日本においては女性は低く扱われていた』というテーマ性であるとみていいでしょう。
またそれだけでなく、本作に登場する龍賀一族はゲゲ郎の一族であった幽霊族やほかの人間たちを利用して、秘密の薬品を開発していたなどといった秘密も隠されており、これは実はかつて日本は『ヒロポン』といって麻薬の使用を公で認めていたという黒歴史があり、そういった日本の暗部を暗喩しているともいえます。
まとめ|沙代を知って『ゲゲゲの謎』をもっと楽しもう
今回分かった情報をまとめると以下の通りになります。
- 沙代は、鬼太郎の父と龍賀乙米の子ども
- 可哀想といわれている理由は実母によって、祖父に弄ばれた過去を暴露された
- 田舎から出たかったのに、出ることはなく死んだことでも可哀想といわれる
関連リンク
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!